尾瀬地域では、6月19日の県境を越えての移動規制解除に続き、7月1日からは福島県側からの入山ができるようになるうえ、山小屋の営業が再開(一部の山小屋では2020年の営業を休止しています。)されます。このことから、埼葛地区から尾瀬地域への入山が可能となります。むろん、「新型コロナ対策を徹底する」という条件付きです‼ 残念ながら「2020年の尾瀬の水芭蕉」へは訪れることができませんでしたが、「7月の日光黄菅」は今年も見ることができそう。そこで7月の尾瀬地域の「日光黄菅をはじめとする高山植物」などの開花状況をご案内します!
「2019年 7月初旬〜8月初旬にかけての尾瀬ヶ原及び尾瀬沼両地区の 開花状況表」を、尾瀬ヶ原地区の山ノ鼻ビジターセンター及び尾瀬沼地区の尾瀬沼ビジターセンターに常駐する尾瀬保護財団の職員が作成する「尾瀬情報」、「今日の尾瀬(山ノ鼻・尾瀬沼両ビジターセンターのブログ)」を主資料として、ほかに片品村観光協会及び檜枝岐村観光協会のホームページ、長蔵小屋ブログ「長蔵小屋からの最新情報」そして東京パワーテクノロジー株式会社「尾瀬ブログ」も利用させていただいた上、「2019年尾瀬の花」等で検索した資料も併せて参考にして作成しました。日光黄菅などの開花時期は、気候条件その他の条件により毎年微妙に変化していること踏まえたうえで参考にしてください。
2019 大江湿原と尾瀬ケ原の日光黄菅その他の開花状況(6月下旬~7月下旬)
6月に見頃になっている綿菅は、尾瀬の全域で見ることができますが、当たり年と不作の年があります。19年は不作でした。特に尾瀬ヶ原地区では出さみしいものでした。当たり年であれば、日光黄菅が開花する頃まで楽しめますが今年はどうでしょうか??
鮮やかな朱紅色の蓮華躑躅の花が新緑の緑の中でひときわ映えます。尾瀬ヶ原でも尾瀬沼畔でもポイントとなる所々で咲いています!檜扇菖蒲と杜若も尾瀬ヶ原及び尾瀬沼畔の全域で見ることができますが、群生が見られるのは尾瀬ヶ原です。
春の水芭蕉の名所として有名な「ビューポイント」は、檜扇菖蒲の群生地でもあります! 牛首や至仏山へ続く湿原の一面の緑色の中に檜扇菖蒲の紫が映える姿は、初夏の尾瀬を代表する一枚です!
中旬近くなると、日光黄菅が一輪、二輪と咲き始めますが、その前に湿原の全域で木道脇の草の中で朱鷺草が咲き始めます。続いて沢蘭が下田代付近で見られるようになります。とても小さな花ですが、個性的な姿に惹きつけられてしまいます!
7月の尾瀬といえばやはり日光黄菅です。これまでシカの食害による影響で、かつてのような大群生が消えつつあったのですが、大江湿原では2014年から、尾瀬ヶ原では2019年からシカの食害対策として防護柵を設置してきました。その結果、大江湿原では、年々日光黄菅の開花範囲が広くなっています。尾瀬ヶ原でも、北縁道の下の大堀川の拠水林といもり池の間に防護柵を設置した(「シカ防護柵ゾーン」と名付けました)結果、日光黄菅の群生が戻ってきました。残念なことに、かつて尾瀬ヶ原の日光黄菅の見どころであった中田代・下の大堀川付近では、群生が消えています。また、不思議なことに尾瀬ヶ原と大江湿原の日光黄菅の見頃期間は、凡そ同じ期間になっています。群生の規模によるのでしょう大江湿原では見頃期間が少し長いようです。これまで数年は、大江湿原でしか見られなかった群生が、シカ防護柵ゾーンと大江湿原の両方で見ることができるようになりました! さあ、十分な準備をして、尾瀬沼畔・大江湿原と尾瀬ヶ原・しか防護柵ゾーンの日光黄菅の群生を見に行きましょう!