かつて「日本で一番早い桜まつり」といえば例年1月20日ころに始まる沖縄県本部町の「本部八重岳桜まつり」でした。しかし「あたみ桜糸川桜まつり」の開催日が2019年、それまでの第3週の土曜日スタートから第2週の土曜日スタートに1週間繰り上がったことから名実ともに「日本で一番早い桜まつり」となり、今日に至っています。
20日(金)には「日本で最も早咲きの桜」と謳う伊豆市土肥の「土肥桜まつり」と熱海市上多賀の「あたみ桜四季の道桜まつり」がともにスタートします。この「2つの桜まつり」が「二番目に早い桜まつり」となりますです。なお、「本部八重岳桜まつり」は21日(土)に開催で、三番目に早い「桜まつり」となります?
いずれの花も「寒緋桜」の特徴である「漏斗型」を継承しており、濃いピンク色で下向きに咲いています!さらにいずれもソメイヨシノよりも花期が長いといわれています。あたみ桜と寒桜はカンヒザクラとヤマザクラの、土肥桜はカンヒザクラとオオシマザクラのいずれも雑交配種といわれています。寒桜については「・・・寒桜は、ふつうの桜よりはずっと早く開花する。寒いときに早くも花が咲くというので、寒桜の名がある。・・・寒桜はむろんわが日本のものであれど、しかし今日までまだどこにも野生のものが見つからない。・・・」(「寒桜の話」牧野富太郎より)とあり、各地で栽培されています。あたみ桜も土肥桜も温暖な気候の伊豆半島で河津桜と同じころ(=昭和30年前後)に発見されたと推測されますが、場所や経緯は特定できていません。
熱海市中心部を流れる糸川の市役所近くに架かる御成橋から河口近くの渚橋までの間、凡そ300㍍の両岸に58本の「あたみ桜」が植えられています。中央付近の糸川橋の左岸袂には開花情報等を判断する「基準木」があります! 写真は糸川橋からの上流方向です!
下多賀駅と熱海高校を結ぶ歩道につけられた名前です。「あたみ桜四季の道桜まつり」が1月20日(土)から開催されます。熱海高校寄りの約300㍍ほどに87本のあたみ桜を中心にヒマラヤ桜及びソメイヨシノが植えられています。付近に駐車場はなく、まつり期間中の土日には国道沿いの浜辺の駐車場との間にシャトルバスが運行されますが、平日はありませんから徒歩での往復になります?
2024年の「土肥桜まつり」のメイン会場は「松原公園」に戻りました。恋人岬、里山園地、旧南小記念広場及び丸山スポーツ公園を除く土肥金山、万福寺や土肥神社など土肥地区の見どころは、松原公園から約1km圏内にありますから、時間を気にせずゆっくりと桜見物ができます!
恋人岬の「土肥桜」は、駐車場の南側の斜面に広がる土肥特産の「白琵琶畑」内の道の両側200㍍ほどに植えられています。桜を下に見ながらゆっくりと下り、帰りは桜を見上げながらゆっくりと鑑賞することができます。花は、年々勢いが増しており、駐車場から見下しても「絵になる」ようになってきましたが、急勾配ですから登り下りに骨が折れます。桜が終えると、国内ではここだけにしかない白琵琶畑に変身、6月まで厳重に管理されています。駐車場から見下ろすこともできますし、北側には、桜と富士山のコラボを楽しめるゾーンもあります!丸山素没公園と恋人岬の間に「里山園地の桜並木」が続いています。この道は恋人岬と同じような勾配で黠距離がありますから、健脚の人向けのコースです?
伊豆総合高校土肥分校から南東へ500mほどの、土肥山川の支流横瀬川左岸の道路沿いに100m近い「桜並木」があります。また、丸山スポーツ公園の手前の「南小記念広場」にもたくさん植えられています。ともに花に勢いがありますから近い将来、見事な桜並木になるでしょう?何よりも嬉しいのは、桜並木が恋人岬や里山園地などのように傾斜地ではなく、平坦な道沿いにあるいうことです。パンフレットの「見どころ」には載っていませんから、「知る人ぞ知る見どころ」です。残念なのは、横瀬川左岸の道路沿いには駐車場がないことです?
西伊豆町の「土肥桜」の見どころは、3カ所あります。最も綺麗なのが仁科川左岸滝見観音堂付近です。20年ほど前に旧土肥町時代に譲り受けた苗木を50本ほどを、海名野橋から1㎞ほど上流の岩谷戸橋までの間に植えたものだそうですが、残っているのは右岸の岩屋戸橋寄り付近との2カ所になっています。綺麗に咲いているものがたくさんある上、本家の伊豆市土肥にもない規模の桜並木ですから、きちんと管理すれば、西海岸最大の土肥桜の見どころになると思われます。諸般の事情があるのでしょうが「貴重な観光資源が・・・」と残念に思います。また、安城岬ふれあい公園の斜面にも70本ほどが植えられ他とのことですが、今はその面影はなく、さみしい姿になっています?