• 「ああ 楽しかった!」という満足感を味わえる「旅」を提案します

    2021年夏の尾瀬を報告します!

    2021年7月17日(土)〜18日(日)の2日間、「燧ヶ岳山麓周回 + 尾瀬原周遊コース」を歩き調査してきました! 

    21.8 20 1/100,000 2色道 燧ケ岳山麓周回+尾瀬ヶ原周遊コースで日光黄菅群生地をめぐる ルート案内図 原版

    最初に、「尾瀬ヶ原・北縁道」及び「イモリ池南・鹿防柵ゾーン」の地名について

    弊所は、尾瀬地域で「地名のない地域或いは地点」について、明治39年以降の紀行文等や地図により確認できる地名を使用しております。また、過去の文書や地図において「地名の確認できない地域或いは地点」は、状況を考慮して地名をつけています。尾瀬ヶ原において「日光黄菅」の群生が見られる地点には、国土地理院地図、尾瀬保護財団や地域自治体の作成する地図に記載がありません。

    1. 尾瀬ヶ原の牛首分岐⇔ヨッピ吊り橋⇔東電小屋前⇔赤田代分岐間の木道には、かつて「東電道」という一部の利用者の間での通称がありましたが、今日では使われておらず、新たな名前もついていません。
    2. そこで、この道を「尾瀬ヶ原・北縁道」と名付けております。なお、山ノ鼻⇔見晴間の木道は、「尾瀬ヶ原・横断道」と名付けています。

    この北縁道の「日光黄菅の群生地」にも地名はありません。関係団体はどのように記述しているか調べると、

    1. 尾瀬保護財団の山の鼻ビジターセンターでは、2021年6月27日は「牛首分岐から東電小屋方面へ行って東電下ノ大堀川橋を渡った所にあるシカ防止柵に囲われている」とありました。その後、同年7月5日及び11日には「東電下ノ大堀橋とヨッピ吊橋間の防鹿柵で囲まれた湿原」とあり、統一されていません。
    2. 環境省を含む「尾瀬・日光国立公園ニホンジカ対策広域協議会」では鹿防柵に囲まれた地域を「ヨッピ川南岸」と書いています
    3. 環境省・片品自然保護官事務所では、同年7月15日に「尾瀬ヶ原の牛首分岐~ヨッピ吊橋の間」と書いています。
    4. 片品村観光協会では、同年7月20日に「牛首~ヨッピ吊橋間」とありました。

    どれも、的確な表現とは思えませんし、この地域には特徴のある樹木も標章等もありません。

    1. 「ヨッピ川南岸」については、ヨッピ川の南岸といえるのは、「ヨッピ吊橋⇔ヨシッポリ田代」の区間で、「東電下の大堀橋から⇔ヨッピ吊り橋」間は「東岸」或いは「東南岸」にあたります。
    2. ヨッピ吊り橋と東電下の大堀橋の中間付近に「イモリ池」があります。「イモリ池」も国土地理院地図及び関係自治体の地図には載っていませんが、グーグルマップは使用していますし、NHKの尾瀬に関する番組の中でも使用しています。
    3. そこで、この地に、簡単に誰もが「なるほど」と思える地名として、「イモリ池南」と名付けました。正確には南ではなく南西になりますが、地図を見て違和感は感じませんし、「ヨッピ川南岸」は明確です。

    今回の「尾瀬レポート」では、「尾瀬ヶ原・北縁道の日光黄菅の群生地」の名称について、山の鼻ビジターセンターの「東電下ノ大堀橋とヨッピ吊橋間の防鹿柵で囲まれた湿原」等の記述を「尾瀬ヶ原・北縁道 イモリ池南・鹿防柵ゾーン」又は「イモリ池南・鹿防柵ゾーン」で統一し、すべて書き換えましたのでご了承ください。なお、今後、一層的確な地名が提案されたならば、喜んで変更致します。

    花の名前は、「ニッコウキスゲ」ではなく、「日光黄菅」に統一しました。

    尾瀬沼畔・大江湿原でも、尾瀬ヶ原・北縁道 イモリ池南・鹿防柵ゾーンでも日光黄菅が綺麗でした!

    日光黄菅の群生地は尾瀬沼畔・大江湿原及び尾瀬ヶ原・北縁道 イモリ池南・鹿防柵ゾーンの二か所です。共に見ごろとなっており楽しむことができましたが、2020年から「鹿防柵」が設置されている「下の大堀川周辺」は、まだ復活途上でした。

    御池の駐車場は、かつての賑わいが戻ったように見えました?!

    日光黄菅の鮮やかさに納得したのは当然ですが、見ごろと週末が重なったからか、御池の駐車場が満車に見えるほどに賑わってました! 左は、18日(日)12時過ぎの御池駐車場ですが、17日(土)の7時頃も同様でした!

    木道や登山道の劣化が進んでいます?

    燧裏林道の上田代⇔御池間の腐食した階段木道

    木道及び登山道の整備は、尾瀬ヶ原を中心に進められていますが、周辺部では劣化が進んでいることを再確認してきました。「燧ヶ岳山麓周回+尾瀬ヶ原周遊コース」の中で、特に燧裏林道の上田代から御池へ下る区間では劣化が広がっています。応急処置すらできていない状態が続いており、全面的な整備が即座に必要だと思います。予算面や人力面で難しいのでしょうが、ハイカーは道が劣化した燧裏林道の利用を避けるでしょう? 他にも気になる点があります。尾瀬沼東岸から尾瀬ヶ原・見晴までの8kmの間には、長蔵小屋が設置した沼尻のトイレだけで、公営のトイレはありません。尾瀬地域の主要幹線道で、公営トイレのないのはこの区間だけです?

    こうした問題も含めて、3回に分けて「2021年夏の尾瀬!」を報告します。今回は、第1回目の「日光黄菅」です!

    尾瀬レポート 第1回「日光黄菅」

    7月8日に「尾瀬地域の日光黄菅の見ごろ」について、次のように予測しました。

    • 尾瀬ヶ原・北縁道 イモリ池南・鹿防柵ゾーンでは12日〜20日頃?

    • 尾瀬沼畔・大江湿原では16日〜24日頃?

    1.7月17日の日光黄菅の開花状況は次のとおりでした!

    1-1.大江湿原の日光黄菅です!

    大江湿原では、沼山峠から下って湿原に出るとすぐに日光黄菅が出迎えてくれます!そして尾瀬沼東岸手前の奥沢橋付近まで木道沿いに咲いています!

    豊作であった2019年ほどの華やかさはありませんでしたが、開花ゾーンに広がりが見られました!沼山峠から下り大江湿原に出ると、すぐに日光黄菅を目します!最も密集しているのは、大江湿原分岐周辺ですが、尾瀬沼東岸手前の奥沢橋付近まで木道に沿って途切れないで咲いています!

    1-2.尾瀬ヶ原・北縁道  イモリ池南・鹿防柵ゾーンの日光黄菅です!

    イモリ池南・鹿防柵ゾーン以外で日光黄菅が咲いていたのは次の地点です!

    かつての群生地 下の大堀川畔周辺です!

    2009年4月発行 「ヤマケイ 3 アルペンガイド 尾瀬」 P33よりお借りしました。

    中田代・下の大堀川一帯は、かつては日光黄菅が群生し、7月中旬過ぎに日光黄菅が見ごろとなると、春の水芭蕉の見ごろ時期同様に、ハイカーが連なって大渋滞を起こすほどでした。しかし理由は不明(風説として、「シカによる食害が原因」といわれますが、2012年の群馬県立尾瀬高校の研究発表「尾瀬のシカは何を食べるか 」以外には、この周辺の鹿による食害について証明するレポートはありません)ですが、日光黄菅は2014年を境に急激に減少し、日光黄菅は数えられるほどに減少しました。そして2020年から「鹿防柵」が設置されてきたことから、2年目の今年は期待していました。確かに日光黄菅の本数は増えてはいますが、未だ数えることができる程度の本数でした。来年以降に期待します!

    イモリ池南・鹿防柵ゾーン及び下の大堀川畔以外では、下記の地点で咲いていました!この他では日光黄菅を見るとはなかったように思います?

    2.「日光黄菅の見ごろ期間」の予測を検証しました!

    手前みそですが「日光黄菅の見ごろ期間」の予測は、大合格でした!

    共に「見ごろ期間」と予測していた7月17日に大江湿原及び尾瀬ヶ原の日光黄菅を見てきましたが、予測した見ごろ期間すべてを見てはおりません。そこで、尾瀬沼ビジターセンター及び山の鼻ビジターセンターのブログ」その他の資料を利用して「日光黄菅の開花状況」を検証しました。

    2-1. 大江湿原の「見ごろ期間」予測について

    大江湿原の7月10日~25日の開花状況は次の通りです!

    過去3年間の大江湿原分岐から見た日光黄菅の開花状況を比較すると、年々花数が減少しています?

    • 豊作であった2019年に比べ2020年は、花の数が少なくなっています。
    • 2021年は、少なくなった2020年よりもさらに少なくなっています。
    この各年の開花状況の違いが、尾瀬沼ビジターセンター等の見ごろ期間の判定に影響したと考えられます。
    • 13日の尾瀬沼ビジターセンターのブログには、「大江湿原分岐周辺の日光黄菅は、だいぶ咲きそろってきましたが、これからの開花に期待したい現在です。」
    • 長蔵小屋の13日のブログにも「大江湿原の日光黄菅も咲き始めましたが、その数はまだ多くはありません。蕾はそこそこあるので咲きそろう時が楽しみですが、まだ丈が低く見ごろは1週間ほど先になるのでは…」とありました。(なお、長蔵小屋のブログは、現在「工事中」で閲覧できません。)

    ともに現地におられる方々の判断ですから、それはその通りだと思います。現地で毎日見ている皆さんには、2019年、2020年の開花状況が記憶として残っており、「見ごろ期間ならもっと花が咲いている」という期待感が意識をよぎり、開花が遅れているという判断をされたのであろうと推測されます。

    尾瀬沼ビジターセンター等の写真で、17日に目にした開花状況をベースに前後の開花の状況を見ると、大江湿原付近で見ごろ期間開始と予測した16日以前の13日には、17日とほぼ同じ程度の開花状況となっていることがわかりました。

    2021年、大江湿原の日光黄菅は、花の数が少ないスマートな「お花見」でしたが、13日には「見ごろ」になりました!

    7月2日の尾瀬沼ビジターセンターのブログには、「大江湿原を歩いてみると、まだほとんどがつぼみですが、日光黄菅が少しだけ咲いていました。」とありました。2020年よりも少し早い開花でした。しかし、「見ごろは16日から」と設定したのは、「今年も昨年のように雨の日が多くで低温の日が続くであろう?」と想定したことによります。ところが、2日以降気温が上昇し、開花が早まりました。

    「予測の正答率は70%、合格と考えます!

    「16日から見ごろ期間に」と予測しましたが、「13日には既に見ごろ」となっていました。「25日には見ごろ期間すぎに」と予測しましたが、「23日には、見ごろ過ぎ」になっていました。予測より3日早く始まり、予測より2日早く終了していました。実際の見ごろ期間10日に対して7日間が合致しています。予測率は70%、合格といえると考えました!?

    なお、引用した資料は、つぎのとおりです。ありがとうございました。
    • 尾瀬沼ビジターセンターの「ブログ」「尾瀬情報・大江湿原版」
    • 長蔵小屋「ブログ」(なお、長蔵小屋のブログは、現在「工事中」で閲覧できません。)
    • 尾瀬・日光国立公園ニホンジカ対策広域協議会 資料「尾瀬・日光国立公園におけるシカ対策の現状について」

    2-2.イモリ池南・鹿防柵ゾーンの「見ごろ期間」予測について

    イモリ池南・鹿防柵ゾーンの7月9日~2日の開花状況は次の通りです!

     

    山の鼻ビジターセンターでは、尾瀬沼ビジターセンターのように日光黄菅の開花状況について「特別体制」を取っておりません。イモリ池南・鹿防柵ゾーンに関する写真や記述のない日が半数近くありましたので、他の団体の写真等も利用したうえ、「ブログ」の中の「日光黄菅の状況」についての記述も参考にしました。なお、7月10日は、日光黄菅の写真も記述もありませんでした。

    過去3年間のイモリ池南・鹿防柵ゾーンの南側から中央部の開花状況を比較すると、ほぼ同じような開花状況に見えましたが

    • 7月11日及び12日の写真における開花状況ほぼ同じように見えますし、14日、16日そして17日の写真の開花状況とも同じように見えます。
    • 11日のブログは、「イモリ池南・鹿防柵ゾーンでは、日光黄菅がたくさん咲き始めました。黄色の絨毯を敷き詰めたようになることを期待したいです。」とありました。
    • 12日の環境省・関東地方環境事務所「アクティブ・レンジャー日記」7月15日号には、7月12日に植生保護柵設置の調査に同行して、イモリ池南・鹿防柵ゾーンの日光黄菅を観察し際の写真と、「黄色の絨毯とまではいきませんが、緑の湿原の中で鮮やかに咲いていました。・・・昨年よりは花芽の数は少ないようですが・・・」と書いています。
    • 片品村観光協会のブログでは、7月20日「本日の尾瀬」に、イモリ池南・鹿防柵ゾーンの日光黄菅の開花状況写真及び「イモリ池南・鹿防柵ゾーンの日光黄菅が見ごろです」」との記載がありました。
    • そして、翌21日の片品村観光協会のブログには、「日光黄菅の見ごろ時期になりました。といっても尾瀬ヶ原は少し最盛期を過ぎており・・・」と書いていました。

    17日に目視した開花状況をベースに、山の鼻ビジターセンターの写真等で11日からの開花状況を見ると、イモリ池南・鹿防柵ゾーンで見ごろ期間開始と予測した12日の前日である11日に、既に17日とほぼ同じ程度の開花状況となっていることがわかりました。

    2021年、尾瀬ヶ原のイモリ池南・鹿防柵ゾーンの日光黄菅は、昨年同様に「登り調子のお花見」で、11日には「見ごろ」になりました。!

    • 6月27日の山の鼻ビジターセンターのブログには、「日光黄菅は、イモリ池南・鹿防柵ゾーンでは、一輪だけ咲いていましたが、まだ蕾が多く見頃はもう少し先といった感じでした。」とありました。
    • 7月4日の山の鼻ビジターセンターの「尾瀬情報 尾瀬ヶ原版7月4日号」には、「日光黄菅は、尾瀬ヶ原全域で咲き始めています。日光黄菅群生地(イモリ池南・鹿防柵ゾーン)の見頃はもう少し先です。」とありました。
    • 7月5日の山の鼻ビジターセンターのブログは、「日光黄菅は咲き始めていますが、花の数はまだ少なく感じます。イモリ池南・鹿防柵ゾーンの木道脇で咲いていますが、群生するのはもう少し先かもしれません。」とありました。

    6月27日に最初の1輪が開花していることから、昨年同様「10日前に見ごろを迎えるのでは?」と思いましたが、7月4日の「見頃はもう少し先です」5日の「群生するのはもう少し先かもしれません。」とブログに続けて載っていたことから、当初の「8~10日頃に見ごろに?」を変更して「12日に見ごろに!」としました。

    「予測の正答率は90%、大合格と考えます!

    「12日から見ごろ期間に」と予測しましたが、11日には既に「見ごろ」となっていました。「見ごろ期間の終了」については、「20日」と予測しましたが、「ほぼ予測通り」でした。片品村観光協会の21日のブログで、「20日には、尾瀬ヶ原は少し最盛期を過ぎており・・・」と書いてありますが、写真で見る限り「20日は、見ごろ期間」といえます。予測より1日早く始まり、予測と同日に終了しています。実際の見ごろ期間10日に対して9日間が合致しています。予測率は90%、大合格と考えます?

    なお、引用した資料は、つぎのとおりです。ありがとうございました。
    • 山の鼻ビジターセンターの「ブログ」「尾瀬情報・尾瀬ヶ原版」
    • 片品村むらづくり観光課 「YouTub シリーズ尾瀬を歩く 2021 Voi.16」
    • 片品村観光協会「ブログ」
    • 環境省関東地方環境事務所「アクティブ・レンジャー日記 7月15日号」
    • 尾瀬・日光国立公園ニホンジカ対策広域協議会 資料「尾瀬・日光国立公園におけるシカ対策の現状について」

    尾瀬地域の「予測の正答率は平均80%、大合格といえるでしょう!2022年も期待してください!

     

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